『黄鬚児』 制作過程

まずはラフ。

大抵イメージを練るのに物凄く時間がかかり、
その上何度も構図を書き直したりするため、
不要なノートに大雑把に描きます。
本番用の紙に薄墨で主線入れをし、
下地となる色を塗ったところです

下地はスポンジの端切れに色を含ませて画面全体を濡らすようにしています


今回は愛用しているマーメイド紙を使用しました。
消しかけしても毛羽立ちが少なく、にじみの調整は水筆を使って自分の意思でコントロールしてぼかしをかける私にはこの紙で十分
均一な下地でも良かったのですが、
虎はおなか部分が白色なので
後で白を乗せる時に少しでも手間を省く為に
下地が乾く前にスポンジで絵の具をふき取りました。

ただふき取っただけなのですが、これだけで着色のイメージが見えてきました。
曹彰塗り塗り…


私はどうも青系統が苦手色のようで、
使うとどうしても絵がくすんだ雰囲気になってしまうということに昨年の張遼のアナログイラストを描いて初めて気付いたので
今回は暖色を中心にして色を置いていきました。
服を粗方塗り終えたので、アクセントの黒色を落とし込み


腰の帯や靴の黒は粒子の粗い黒色ジェッソで塗り、
髪の毛や顔部分のラインはなめらかに描ける墨汁を使用

墨汁は乾いてしまえば耐水性も同然なので、黒の部分では最近は頻繁に使うようになりました
裏の主役、虎の着色作業。


山吹色や猩猩緋など、色々混ぜて虎っぽい色を作り
水筆でぼかしつつお腹や顔の白色部分を塗りつぶさないように
少しずつ色を濃くしていきます
上から白を置いていきます


白はジェッソを使用。
(ジェッソの中にチタニウムホワイトが使われているということで、ジェッソをこんな使い方してます。)
いよいよ肝の箇所である縞模様


薄墨で縞を塗っておき、
後から毛の流れに沿って濃い墨汁で一本ずつ描いていく地道な作業


アップ写真
 (指のささくれが凄いですが…)
縞模様終了

黄色と黒しかなくて道路標識みたいになっています
ちゃんと虎のお尻の縞模様も描いてます
虎と曹彰だけでは本当に道路標識状態だったので
周りに草を生やす事にしました。


全部に敷き詰めるのはクドイと思ったので、
彼らの周囲だけに生やすことにしました。
草を置く部分の下絵代わりに緑色を薄く周囲においていきます
あとはひたすら草生やせ!草生やせ!!


これで完成でも良かったのですが、
ぱっと見た時に虎ばかりに目がいってしまい、曹彰が空気になっていたため、
お馴染みの影付けで紫を使用して、暗くなる部分にどんどん追加して完成としました。

        ⇒ 黄鬚児

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